プログラミングが学校教育で義務化され、はや数年。
習いごとでは空前のプログラミングブームが到来しています。
ところで、英語も同じく「国際化の時代」「グローバルな人材を育てる」といったような目的で導入され、英語の科目が開設された当初よりも英語の授業はますます高度なものになっています。
小学校5年生であれば、英語で道案内をするような勉強もするのだとか。昔と比べてすっかり学校の授業も変わってしまいました。
この「プログラミング」と「英語」。
両方学ぶことができれば一石二鳥だと考える方もおられるかもしれませんが、実際のところはどうなのでしょうか。
今回は、プログラミングを英語で学ぶのは現実的なのか、そして英語で学ぶことができるプログラミングスクールはあるのかどうかについて、詳しく解説していきます。
プログラミングを英語で学ぶのは「英語がちょっとわかってから」
いきなり否定的なことを書いてしまいました。
大人子ども問わず、英語が全くわからない方は、いきなり英語でプログラミング学習をするのはおすすめできません。
なぜおすすめできないのか。
理由は以下のようなものがあります。
英語が分からないのに英語で何かを学ぶのは非現実的
「大丈夫、英語って大体ジェスチャーで通じるでしょ」
「●ピードラーニングだって聞き流せば英語が喋れるって言ってたじゃない!」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、それはあくまで観光旅行のレベルだけです。
「相手が何を言っているかが分かる」
ということは物事を学ぶ上で最低限の条件。
英語が全く分からないうちから英語で物事を学び始めるのは、
「英語すらわからないのに、プログラミングの理解なんてさっぱり」
という状況になりかねません。
「プログラミングの専門用語」は日常英会話では出てこない
専門用語のハードル
プログラミングの専門用語が出てくること。
当たり前のように思われるかもしれませんが、これが日本人の理解を苦しめることにもなります。
英語でプログラミングを学ぶと仮定して、一体どれだけのネイティブインストラクターたちがプログラミングの専門用語を使わずして、プログラミングを教えられましょう。
しかも、外国人(日本人)相手に。
「まずは『プロトタイプ(試作品の意味)』をつくってみましょう!」
「これを『ブランチ(条件分岐の意味)』っていうんだよ!」
といったようにつらつら専門用語が出てくるのは避けられないでしょう。
では。
100歩譲って、ネイティブ先生たちが
「Hey、『ブランチ』ってこういう意味なんダヨ~」
と日本語で説明してくれるかと言えば、そうではありません。
よっぽど日本語も込みで丁寧に教えてくれる先生でない限り、英単語の意味は通常「英語で説明する」が基本なのです。
「It‘s an instruction ! To make a different instruction sequence…(それは、インストラクションのことさ!異なったインストラクションを…)」
といったように英語で英単語の意味を説明されたって「??」となってしまうのが普通ですし、ますます疑問が深まるだけです。
日本人あるある、「単語」につまづくとすべてがわからなくなる
「専門用語の一つや二つで悩まないでしょ」と思われる方へ。
これが意外と悩みにつながることがあります。
聞いたことのない英単語を聞いたとき。
そんなときには大半の方が、
「プロトタイプってどんな意味だろう…」
と考えます。
一生懸命、英語で話をされている中で理解しようとするのですが、わからないものはそりゃわかりませんよね。
例えばプログラミングの授業において。
ネイティブ先生が「プロトタイプを作った後に、一度実験してミルヨ~。その後にもう一度新しいプロトタイプを作って~」
としゃべるわけですが、「プロトタイプ」がわからないせいで、その後どんな指示が飛んできているかが全く分からない状態に陥ってしまうわけです。
結局頭の中に残るのは、
「なんかプロトタイプがどうだこうだって言ってた」
「なんかとりあえず作るのはわかったけど、具体的に何するかわかんない」
といった情報だけになりがちなのです。
「英語で学ぶ」なら「ある程度相手の言っている意味が分かる英語力」が必要
「そんなこと言ってたら、何も始まらないじゃん!」
という方、それはまっとうな主張です。
では、何にもわからない中で、英語でプログラミングを学習し続けて、いつ頃に理解が深まるのでしょうか。
もっと簡単に言うと、英語がわかり始めるのは一体いつからで、ネイティブと意志の疎通が図れるようになるのはいつのことなのでしょうか。
高校までのボロボロレベル英語ではどうなるのか
筆者の体験をそのままお伝えすると、
高校英語までの基礎(ボロボロ)しかない
↓
平日5日、ひたすら英語で授業を聞き、質問もつたない英語でやる
↓
半年後になんとかうっすら言っている意味が理解できるようになる
といった状態でした。
外国語大学に何もわからず入った筆者でしたが、できの悪い状態でこのような感じです。
強制的に英語で読み書き理解をする環境に身を置くと、ネイティブ先生たちの話す言葉の意味が何となく読み取れるようになりました。
「英語を勉強する」ということに焦点を当てただけでこのレベルですので、プログラミングが一緒であれば頭がパニックになりそうなことは容易に想像がつきます。
ある程度の理解能力がないと授業は成立しない
「ある程度相手の言っている意味が分かる英語力」がないと、プログラミング学習を進めていくのは非常に困難だと言えるでしょう。
それほどまで英語に触れる機会を多くしない限りは、英語でものごとを理解をするのは難しいと言えます。
プログラミングだけではなく、英語で何かを学ぶということは、それほどまでにハードルが高いということなのです。
どうすれば英語でプログラミングを学ぶことができる?
英語でプログラミングを学習するメリットは?
でも、英語でプログラミングを学ぶことは悪いことではありません。
むしろ非常に良いことです。
他のブログ記事でも書いてあるように、
- 英語が理解できるのであれば、プログラミングの様々な場面で有利になる
- 国際力を身に着けることができる
といった点は身に着けることができれば、ご自身の価値を高めるものでしょう。
ただ、筆者の昔のように、「英語全くわからんっ!」状態であれば、かなりハードルが高いということを申し上げています。
ではどのようにすれば、英語でプログラミングを学べるようになるのでしょうか。
「英語全くワカラナイ」→「ちょっとだけ英語わかる」状態になることが大事
英語を理解する能力が完璧になってから、プログラミングを学べというのではありません。
「ちょっとだけ」英語がわかるようになってから、英語でプログラミングを学習することを始めていただきたいのです。
詳しく言いますと、以下のようなものです。
- プログラミング専門用語の英単語をいくつか知っておくこと。
- 簡単なニュアンスの英語がわかるようになること。
「 Got it ?(わかった?)」「Any Question?(何か質問は?)」「Send me your assignments.(課題を送って)」などなど授業内での指示の言葉
この2つをある程度意識した英語の勉強をしてから、プログラミングを英語で学ぶのをおすすめします。
これだけで全くと言っていいほど授業への理解度が変わりますし、ネイティブインストラクターたちも授業を進めやすくなります。
学ぶ側も教える側にとっても非常にメリットになるのです。
むしろつたない英語でもNO問題
また、自分の英語力が「ペラペラ」にならないといけない…と思う必要もありません。
あくまで必要なのは「英語を理解する力」であり、「最初からペラペラ喋ることができる力」ではありません。
喋れるスキルはあるに越したことはありませんが、それは後からでも十分つけることができます。
中学生英語でも小学生英語でもOKです。
「プリーズテルミー、ディスワン(Please tell me, this one.『ここを教えて』)」
「ワンモア、プリーズ(One more, Please『もう一回、言って。』)」
のような程度の英語でいいのです。
一生懸命話そうとする姿勢が伝われば、ネイティブ先生たちは全力でわかりやすく伝えようとしてくれるでしょう。
英語でプログラミングが学べるおすすめスクール3選
筆者がおすすめできるのは、
- ある程度基礎の英語の学習から入ってくれるスクール
- 日本人サポーターがついた学習形態
という2点のうちどれかに当てはまるスクールです。
未来LAB
未来LAB(ミライラボ)は関東・関西に80教室を持つ、英会話スクールです。
英会話教室がプログラミング教室を開校していますので、英語の指導力については心配をする必要はありません。
英語を学習するレッスンと、プログラミングを学習するレッスンの2つが用意されており、まさしく「英語」と「プログラミング」の両方を学ぶことができます。
「プログラミングは英語がきちんと読めないとコードが書けません」との記載をしていて、きちんとした英語の基礎をベースとした授業を行っているようです。
プログラミングはヴィジュアル型プログラミング言語「Scratch(スクラッチ)」を使った学習内容となっており、プログラムをScratchで作成し、作ったロボットに命令を転送するような「ロボット作成コース」の授業を行っています。
ただ、子どもを対象年齢として書かれているので、大人の受講は難しいと思われます。
未来LAB Webサイトはこちらから。
CODE CHRYSALIS(コードクリサリス)
Code Chrysalisは大人向け、社会人向けに開かれている、英語でプログラミングを学ぶことができるスクールです。
日本語で学ぶことができるコースと、英語で学ぶことができるコースの2つがあります。
英語で学ぶことができるコースでは、
- プログラミングを基礎から学ぶことができるコース(決まったスケジュールのコースとマイペースに学習できる2タイプ)
- 3か月でソフトエンジニアを目指すコース
の合計3つのコースが用意されているようです。
また、日本語だけで学ぶことができるコースは、プログラミングをマイペースに学ぶことができるコースの1つのみのようです。
Webサイトはこちらから
Awesome Ars Academia(オウサム アルス アカデミア)
こちらは、小学生から社会人まで幅広く英語を使いながらプログラミングを学ぶことができるスクールです。
基本的にはオンラインコースもしくは、フィリピンのセブ島での合宿コースが設けられています。
英語を話すことができる講師と日本人の講師の両方が在籍しています。
小学生ではScratchやMinecraftで学ぶプログラミングや、Webデザインコースが設けられており、中高生や社会人ではWebデザインコースやJavaScriptコースが設けられています。
Webサイトはこちらから
〇このブログ記事のまとめ〇
英語でプログラミングを学ぶことは現実的にできるのかどうか、そして学べるスクールはあるのかについて、詳しく解説してきました。
筆者の偏見も入っておりますが、プログラミングを英語で学び始める際にはぜひ参考にしていただけると幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。